玉東町役場のそば、高月地区には、西南戦争の官軍戦死者を埋葬している官軍墓地があります。有栖川宮督戦の地(丸田公園)も近いので、セットでごらんになられるといいかと思います。
墓地の周囲は緑豊かな公園として整備されており、980名もの戦死者を埋葬されている場所とは思えぬ、のどかな雰囲気となっています。取材当時もお母さん方が子どもたちを遊ばせていました。
このような官軍墓地は県内21カ所、全国35カ所に存在していますが、高月官軍墓地が日本最大級のものであるということです。
墓碑の側面には、このように氏名、出身地のほか、所属、戦死した理由や場所などが刻まれており、戦死者が手厚く葬られていると感じます。対して、薩軍兵士の墓所では、まず個別の墓碑がほぼありませんので、官軍と薩軍で当時の扱いの差が見て取れます。
この墓碑の数だけ人が亡くなっているのだと思うと、誠に恐ろしいです。霊感などはない私でも、ただならぬ雰囲気を感じます。
熊本県指定史跡になったときに作られた石碑。
これによると、埋葬者980基に対して墓碑数が970基、10基が亡失しているとのこと。死者は、そのほとんどが熊本県外から集められた人々であったようです。
戦没者名簿。国の礎を作るために犠牲になった多くの方がいたこと、このようなことがあったこと、忘れないようにしないといけません。
史跡をまわるときは、ガイドつきで、きちんと歴史背景などを説明してくれる人がいてくれてこそ、価値がよく分かるというもの。
玉東町には、観光ガイドの会というボランティアのガイドさんがいらっしゃいますので、そちらで説明をしてもらってもいいですし、西南戦争検定 中級を持つわたしのような、歴史知識豊富な観光タクシーを利用されるのも手ですよ!最後は西南戦争にとても詳しくなって帰っていただいております。ぜひご利用くださいませ。