角宮(津の宮)

 

阿蘇の鬼八伝説に登場する、健磐龍命(たけいわたつのみこと)に折られた鬼八法師の角が収めてあるという角宮をご紹介します。

 

鬼八法師は、阿蘇地方で農作物に深刻な被害をもたらしていた霜を擬人化したものと考えられておりまして、角が2本生えた鬼の姿をしていて、地域に霜害をもたらす厄神とされています。

 

 

角宮は、阿蘇神話の舞台である穿戸羅漢山のふもとにあり、津の宮と称されることもあります。

 

鬼の角が落ちたことから、夫婦げんかもたちまち収まる(角がひっこむ)と言われているそうですよ!

 

 

阿蘇の開拓神・阿蘇大明神こと健磐龍命の家来であった鬼八法師。あるとき、健磐龍命は遠くの石にむかって矢を射る遊びをはじめ、鬼八法師に矢を取りに行かせていました。99本目までは真面目に取りに行っていた鬼八法師ですが、何度も行き来することに疲れた鬼八法師はいらだって、主の矢を足指にはさんで投げ返しました。

 

その矢はあろうことか、健磐龍命の足に刺さり、怪我をさせてしまいました。主の矢を足蹴にし、怪我までさせるとは許せぬと激怒した健磐龍命は、鬼八法師の首をはねんと追いかけ回すこととなります。鬼八法師はなんとか高森方面まで逃げてきたものの、この地でついに首をはねられてしまったということです。

 

そうして、殺された鬼八法師は恨みから凶神となり、この地に霜害をもたらすこととなってしまいました。

 

 

角宮の北方にある霜神社は、鬼八法師の怨念を鎮めるために建立されたものと言われています。

 

穿戸羅漢山を訪れる際には、一緒に立ち寄られるといいと思いますよ。