熊本地震によって発生した、断層の横ずれがはっきり見てとれる場所のうちの1つです。この畑には布田川断層帯が横断しています。
益城町上陳堂園地区の畑なのですが、田んぼのあぜ道がクランク状に折れ曲がっているのが、わかりますでしょうか。これが地震前はまっすぐだったのだと言えば、熊本地震のすごさが分かるのではないかと思います。堂園地区では地震で断層の横ずれが起こり、東西方向に最大2・5メートルずれてしまいました。
側溝の位置が、手前と奥で、ずれています。もちろんこれも震災前は一直線になっていたもの。
益城町と熊本大学などの研究グループが昨年4月にこの活断層を調査していました。この活断層は7300年前から現在まで、大地震を少なくとも2回発生させていることがわかったそうで、2~3千年周期で起こっているそうですので、次に大地震が来るとしても、それは自分たちが生きているうちではなさそうです。
取材当日、ちょうどテレビ局の取材も来ていました。ここは熊本地震を象徴する場所の1つだからですね。
そのため、益城町では、この「畑の断層」を町指定文化財(天然記念物)に指定し、あぜが曲がったまま保存していくことが決まりました。震災遺構として、防災教育に活用したい意向だということです。
こちらは2本の活断層がV字型に出現した(国内初)、谷川地区の民家。玄関先2mくらいのところで、70cmもの地盤沈下が発生しました。断層を保護するために、ビニールシートがかけられています。
家屋は倒壊することはありませんでしたが、活断層の真上にあった納屋が自宅に倒れかかった状態になっています。
こちらの谷川地区の民家も、杉堂地区・堂園地区と同じく震災遺構として町指定文化財となり、天然記念物として保護されています。
築150年とはいえ10年前にリフォームしたばかり、外観からは無事なので、これで町による解体工事が決まっているなんてもったいないね・・・と、カメラスタッフさんとは話しました。耐震補強を施して資料館にするとか、活用方法はいくらでもあるのに、と思いました。
地震後、いろんな建物に倒壊防止のつっかえ棒がしてあるのを見ましたが、放牛地蔵にもつっかえ棒がしてありました。