金灯籠を頭につけて、女性たちが踊る山鹿灯籠祭り。今回はそのお祭りで使われる灯籠を堪能できる、山鹿灯籠民芸館をご紹介いたします。
まずはこの宮造り燈籠をご覧ください!これも山鹿灯籠の技術で作られていますが、これがすべて、和紙と糊だけで作られている、このすごさがおわかりでしょうか。
木も金具も用いていませんし、柱は和紙を折って糊付けしてあるもので、内部は空洞になります。そのため、骨なし灯籠とよばれることもあります。
山鹿灯籠まつりでおなじみ、金灯籠。繰り返しますが、和紙を折った部品だけで作られているものです。
室町時代頃に紙製の山鹿灯籠が作られるようになったといわれていて、江戸時代になると精巧なものが作られるようになり、現在では国指定の伝統工芸品に指定されています。熊本県では小代焼、天草陶磁器、肥後象がんに続いて、4品目の指定になるとのことです。
豊前街道沿いにある、山鹿灯籠民芸館の建物です。灯籠師による制作実演も見ることができますし、八千代座との共通チケットもあります。
もともと、山鹿灯籠の起源は、景行天皇を山鹿の人たちが出迎えるにあたって、霧が深かったためにたいまつで道を示したことがはじまりだったとされています。それが、形をかえて紙製の灯籠が作られるようになりました。
この建物自体が登録有形文化財です。大正14年に築造されたロマネスク風建築物で、旧安田銀行山鹿支店跡となります。昭和48年までは肥後銀行山鹿支店として使われていました。
天井に目をやれば、多数の金灯籠と、双龍の絵が。
現在、さくら湯が立地している場所には、かつて山鹿御茶屋という細川藩の休憩所がありまして、そこにあったお殿様用の温泉の天井絵だったといわれているものです。
山鹿御茶屋という肥後細川藩の休泊所があり、お殿様専用の御前湯がありました。
金灯籠の制作工程の解説。
灯籠師による作品が多数展示されていますが、この施設のすごいところは、実際に灯籠師が山鹿灯籠を作っているところを見れるんです!
灯籠師・中村潤弥さん。写真掲載も快く許可いただき、ありがとうございました。作業台に置かれたさまざまな道具を使って、目の前で作業をしてくださいます。
訪問した日は、牛車を作っていらっしゃいました。お見事!
これが・・・紙?いくつかの部品は、実際に手に取ってみることができます。この六角形はポンチで打ち抜くんだそう。
記念写真を撮影されたい方は、このように金灯籠を頭上において、写真撮影することもできるようになっています。
山鹿灯籠の技術で作られた八千代座。
山鹿市街は全体的に坂になっておりますので、足腰のお悪いかたや、詳しいガイドが欲しいかたはぜひ観光ガイドタクシーをご利用ください。歴史観光ガイドタクシー「加来タクシー」であれば、さらに詳しいご説明をおつけして快適な山鹿周遊をお楽しみいただけますよ。