相良(あいら)のアイラトビカズラ

 

ゴールデンウィークに突入しましたが、この時期にどこに行くか迷ってらっしゃる方に、ぜひおすすめしたい観光スポットがございます。それは、熊本県山鹿市菊鹿町の相良観音(あいらかんのん)です。なぜこの時期におすすめかというと・・・

 

 

4月下旬~5月上旬に開花する、この地区に自生する、樹齢1000年といわれるアイラトビカズラ(特別天然記念物)が満開になるからなのですね!日本に自生しているのは、この相良地区と長崎県のトコイ島(無人島)の2カ所のみになりますので、とても貴重な花なのです。

 

 

あ~、まだ早かったか・・・。

 

取材に訪れた4月26日時点では、まだ満開にはほど遠い状況でした。ちょうどいい時期を見計らったつもりだったのですが、今年は桜の開花も遅かったですしね。ですから、ゴールデンウィークのときにはちょうど見頃になっていると思いますよ。

 

 

源平合戦のときに相良寺が焼き討ちにあっていますが、そのときに相良観音様がこのトビカズラに飛び移ったという伝説から、「アイラトビカズラ」の和名がついています。

 

学 名:ムクナ センペルビーレンス
中国名:常春油麻藤(じょうしゅんゆまとう)

飛蔓(トビカズラ)伝説
昔、源平合戦の頃のはなしである。壇の浦の合戦で敗れた平家の残党が相良寺に立て籠もった。当時、この地には本堂ほか九十九の坊舎建ち並んでいたというが、これを豊後竹田の源氏方武将緒方三郎なるものが焼討ちした。この時、観音様は飛翔してこのカズラに飛び移り危うく難をのがれられたという。
また、一説には、観音様がカズラに姿を変えて飛来され、走落の坂を下る緒方三郎の乗馬の足にからみつかれ、落馬したところを残兵が討ち取ったとも伝える。
「トビカズラ」の名の由来について、この二つのはなしが伝わっている。

霊華「優曇華」(うどんげ)
トビカズラの花は古来優曇華(うどんげ)と呼ばれ、「霊華時を隔てて開花することあり。開花すれば必ず国家的事変がある。」と言い伝えられてきた。昭和4年5月、満州事変勃発の前年に35年ぶりに開花をみたという。優曇華は、仏教では3千年に一度花を開きその花の開くときは金輪王が出現するといい、また如来がこの世に現れるといわれている。
近年では毎年のように4月下旬から5月上旬にかけて暗紫色の房状の花をつけている。

 

 

日本では花粉を媒介する昆虫がいないので結実しませんが、人工授粉をさせてみたところ実をつけたので、中国の常春油麻藤と同一の植物であることが確認されました。アイラトビカズラがどのように中国大陸から渡ってきたのかは、わかっていません。

 

 

ちなみにこの地に、2018年秋に熊本ワインさんの「菊鹿ワイナリー」が作られるという話でしたよ。そちらも楽しみですね。