玉名市天水町・草枕温泉てんすいの近くにある草枕交流館。ここは2006年4月にオープンした、夏目漱石の小説「草枕」を題材とした観光案内施設となっております。
夏目漱石はここ小天(おあま)温泉を旅行で訪れたときの経験を元に、小説「草枕」を執筆したと言われています。
大型スクリーン・大型スピーカを備えたガイダンスホール。
こちらでは、はじめて訪問される方向けに「草枕浪漫」(11分)というビデオを上映してくださいます。席数42席となりますので、大人数のときには事前相談が必要です。
展示収蔵庫で閲覧できる、前田家別邸復元模型(山鹿灯篭師作)。
前田家別邸は前回の記事でご紹介させていただきましたが、現在でも前田家別邸はその一部が残っており、見学をすることができますよ。前田家別邸は温泉旅館として利用されていたようです。
展示収蔵庫では、前田家の歴史や草枕に関する展示を見ることができるほか、中江兆民、岸田俊子や孫文、黄興らの書などを見ることができます。
そもそも、漱石はなぜ明治29年の暮れに小天温泉へ行ったのでしょうか。
夏目漱石の自宅には書生たちが下宿をしていたのですが、熊本ではじめての新年を迎えるために漱石の妻・鏡子が作ったおせち料理を、その書生たちが年始客が来る前に食べてしまったのが、そもそもの事の発端です。
当然、夫婦で喧嘩になってしまい、漱石はよほど懲りたらしく、翌年は暮れから小天温泉へ旅へ出ることにしました。
企画展示室。こちらでは現在、草枕の道の古道調査、すなわち漱石の小天温泉旅行の道程を、事細かに調べ上げた資料が展示されています。
屋外では温泉地らしく、足湯場がありましたが、こちらは熊本地震の影響により使用できなくなっていました。
夏目漱石が草枕を書くことになった背景を詳しく知ることができる施設となっています。
入館無料ですので、小説好きな人のみならず、ぜひお立ち寄りください。