疋野神社~疋野長者伝説ゆかりの神社

 

かつて立願寺温泉とよばれた”玉名温泉”の発見にまつわるエピソードをご紹介するため、疋野神社(玉名市)を訪れました。

 

疋野神社は2000年もの歴史があり、延喜式神名帳にも記載がある式内社で、肥後国四座の1つに数えられます。(熊本県の式内社は、阿蘇神社、国造神社、疋野神社の3つのみ。)

 

 

疋野長者御神陵。

 

玉名温泉の由来は、当神社に伝わる疋野長者伝説を読むと、うかがい知ることができます。

 

 

千古の昔、都に美しい姫君がおられました。

 

「肥後国疋野の里に住む炭焼小五郎という若者と夫婦になるように」
との夢を度々みられた姫君は、供を従えはるばると小岱山の麓の疋野の里へやってこられました。

 

小五郎は驚き、貧しさ故に食べる物もないと断りましたが、
姫君はお告げだからぜひ妻にと申され、また金貨を渡しお米を買ってきて欲しいと頼まれました。

 

しかたなく出かけた小五郎は、途中飛んできた白さぎに金貨を投げつけました。
傷を負った白さぎは、湯煙立ち上る谷間へ落ちて行きました。
が、暫くすると元気になって飛び去って行きました。

 

お米を買わずに引き返した小五郎に姫君は
「あれは大切なお金というもので何でも買うことができましたのに」と残念がられました。

 

「あのようなものは、この山の中に沢山あります」 との返事に、
よく見るとあちこち沢山の金塊が埋もれていました。

 

こうして、めでたく姫君と夫婦になった小五郎は、疋野長者と呼ばれて大変栄えて幸福に暮らしました。

 

 

傷を負った白鷺が降り立った「湯煙立ち上る谷間」こそ、玉名温泉というわけですね。

 

御神陵の隣には、長者の泉(福寿の御神水)が置かれています。これがなんと、触ってみると温かい!湧出した玉名温泉をひいているものですから、当然ですね。いただかれる場合は、まずは神様へのご挨拶のお参りを済ませてからにしましょう。

 

 

玉名の中学・高校から奉納された大絵馬も、展示されていました。

 

 

敬神の碑。

 

 

この力石は、途中で置くことなく神社を時計回りに一周してお参りして願掛けをするというもの。試しにいちばん大きいのを持ってみましたが、おそらくゆうに40kgはあるような・・・。これを持って一周は、なかなかハードだとは思います。

 

 

身長をはかれる石柱。七五三参りのときなんかにちょうどいいですね。

 

 

桜や紅葉の名所でもありますし、玉名に訪れたら外せないスポットではないでしょうか。