熊本市の地名「坪井」の由来~千躰仏報恩禅寺

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ローカルな話題になりますが…。熊本市には「坪井」(つぼい)という地名がありますが、実はこの由来になった、ある「もの」があるのです。今回はその「もの」があるという、千躰仏報恩禅寺(せんたいぶつほうおんぜんじ)を訪れました。

 

自由律俳句で有名な、種田山頭火(たねださんとうか)が出家得度し、禅修行したことで有名になった禅寺ですね。

 

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「けふも托鉢こゝもかしこも花さかり  耕畝」

 

全国に921箇所あるとされる、山頭火の句碑の1つがここにあります。耕畝(こうほ)とは、出家した際に改名した名前になります。本名は種田正一(たねだしょういち)。自由律俳句となりますので、季語もなければ句数の制約もありません。

 

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本堂の脇の道を通り、お墓のそばの路地を進むと…

 

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本日の目的である、「坪井(つぼい)」の由来となった井戸があります!熊本地震がありましたので、石塔や墓石などがあちこち倒れてしまっています。

 

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これが坪井の地名の由来となった、「壷井」となります。加藤清正公が城下町つくりをした際に、境内の井戸が大きく、壷の形に似ているところから、この辺一帯を「壷井」となづけられたと言われています。(別名、雷封じの井戸といいます。かつての住職がここに雷を法力をもって封じたのだとか…)

 

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壷井の脇には、水神様も祀られていました。この壷井の水を飲むと病気が治ると言われて、重宝されていたようです。

 

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本堂も地震で被害を受けたようで、ビニールシートやベニヤ板で応急処置がしてあります。熊本市でよく見る風景ですが、工事業者待ちで、なかなか修繕が進んでいかないようですね…。

 

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熊本の人を連れてくると、「坪井」に由来があったのかと驚いてもらえる場所です。全国的には種田山頭火由来の寺として有名なところですね。熊本は他にも種田山頭火ゆかりの地としては、熊本市植木の味取観音堂(1年間、堂守を勤めた)、熊本市横手の安国禅寺(分骨されたお墓がある)などがありますよ。

 

場所が細い路地にはいりこむ必要があり、駐車場も5~6台分しかないですので、ぜひ観光タクシーをご利用ください。きちんとした解説付きで、楽しい旅行中の貴重な時間を無駄にさせませんよ!