阿蘇神社のいま~震災からの復興

 

拝殿が全壊しているため、仮参拝所で参拝する方々。楼門や拝殿が全壊するなどの甚大な被害を受けながらも、いまも変わらず多くの人が訪れていることに、いたく感銘を受けました。

 

 

拝殿奥の三つの神殿は倒壊こそまぬがれましたが、いずれも損傷を受けているため、現在復旧工事が行われています。

 

「二の神殿」「三の神殿」はすでに部分解体工事にはいっています。取材当時の8/16現在、まだ解体工事にはいってない「一の神殿」も将来的に部分解体工事が予定されています。これらの神殿へは木製のフェンスが敷かれていて、現段階では近づくこそすらできませんが、フェンスごしに外観を見ることはできます。

 

いずれも全壊した拝殿と楼門は、昨年11月から解体格納工事を行っています。重要文化財であるため、同じ部材をもって再建する必要があるためです。

 

 

二の神殿。建物がゆがむなどの大きな損害はないものの、部分解体工事のために足場が組まれています。

 

奇遇なことに、熊本震災の前日にも阿蘇神社を訪れています。そのときは、こんなたいへんな状態になるなど夢にも思ってもいませんでした。

 

 

参道北側入口。歴史を感じさせる木製の鳥居があります。

 

阿蘇神社は御創立が孝霊天皇9年(紀元前282年)とされていまして、約2300年の歴史があります。主祭神である健磐龍命の子孫である阿蘇氏がいまも大宮司を勤めています。こちらが全国に450ある阿蘇神社の総本社になります。

 

 

第一神陵の神杉。樹齢700年だそう。

 

阿蘇神社は、阿蘇十二明神を祭神とし、そのなかでも、健磐龍命(たけいわたつのみこと)、阿蘇都比咩命(あそつひめのみこと)、國造速瓶玉神(くにのみやつこはやみかたまのみこと)を主祭神としています。

 

阿蘇神社の祭神

一の神殿

健磐龍命、國龍神、彦御子神、新彦神、若彦神

 

二の神殿

阿蘇都比咩命、比咩御子神、若比咩神、新比咩神、彌比咩神

 

三の神殿

國造速瓶玉神、金凝神

 

 

手水場にいた親子。こうやって歴史を子どもに伝えていくのも大事なことだと、ほほえましく思いました。

 

 

手水場は神の水として、手水と飲用以外の利用は禁じられていますので、このように水くみ専用の水場を用意されています。ポリタンクで水をくんでいる姿がよく見られました。

 

 

一之神陵。このように、神殿とは別に、主祭神健磐龍命のお墓が設けられています。

 

 

二之神陵。こちらは阿蘇都比咩命のお墓ですね。

 

 

一之神陵前の池。

 

 

還御門。今年の5月から部分解体工事中です。

 

 

日本三大楼門の1つ・・・なのですが、すっかり工事用シートに覆われていて、中をうかがうことはできませんでした。

 

 

阿蘇神社参道は、珍しい横参道です。そして、南北の参道入り口には、このように門番の神として守社が置かれています。これは南門守社ですね。

 

 

こちらは北門ですね。右手に北門守神が見えます。

 

 

御札所。楼門工事にともない、すこし西側に移設されています。この建物も一部損壊したそうですが、こちらは復旧しているようです。

 

 

仮拝殿。

 

 

仮拝殿外観。

 

 

ガイド案内所。

 

 

阿蘇神社の御朱印です。じつは今年の五月にも一度訪れております。

 

さて、「水基(みずき)巡りの道」については、また機会をあらためてご紹介させていただきますね。こちらは豊富な湧水を生かし、商店街各所に湧き水をひきこんで、その湧水の涼やかさを楽しみつつ、散策できるように整備されていますよ。