釣耕園(ちょうこうえん)

 

細川綱利公の建てた、お茶屋と呼ばれる別荘です。飛び石を用いた池に山渓を取り入れたもので、米田波門が、その景観を「雲を耕し月を釣る(釣月耕雲)」と詩に詠じたことから、釣耕園(ちょうこうえん)と名づけられたといいます。

 

 

西渓の名園ともいわれているそうで、また、前回ご紹介した叢桂園(そうけいえん)とは地理的に繋がっていて、この釣耕園の水を叢桂園に流している形になってます。

 

 

以前伺ったときには、軒下に「釣月」と書いた木製の額が下がっていたはずですが、取材のときには見当たりませんでした。台風対策などでどこかに避難させているのでしょうか。

 

 

案内板には、ここが続家の私有地であること、続家の好意で開放しているにすぎないことが、書かれています。施設管理人が置かれているわけでもないため、庭は自由に見学できますが、別荘建物内を見学することはできません。

 

 

藩主・細川綱利公が、元禄年間に国政参議の功で続弾右衛門英常に釣耕園を与えたとされています。そのさい、杖でお茶屋とその周辺を示して弾右衛門に与えたため、続家ではこのお茶屋を「お杖先」と呼び、守り続けているそうです。

 

 

苔むした切石の台。木漏れ日の光が降り注いで、何とも幻想的な雰囲気を醸し出しています。

 

庭園南部には、シャクナゲの群落がありますよ。

 

 

高浜虚子の句碑。

「時雨傘 やみたれば 主 受取りぬ」

 

 

本年も多くの方にたいへんにお世話になりました。来年もこのブログは毎週更新していきますので、今後ともよろしくお願いいたします。