緑川ダム その3

  
緑川ダムの内部。日常ではあまり見ない、急勾配かつ長い階段です。「ここまで急勾配だと、ときどき転落する人がいたりしませんか?」とつい聞いてしまったほど。手すりもあるので、実際のところそんな人はいないそうですが。

階段脇には、浸入した水を排出するための水路が設けられていて、絶えず水が流れていってました。
   

   
緑川ダムは幅295m、高さ76.5mですので、高さでいうと熊本城2個分あるんだって。通路も果てしなく長いです・・・。

スケールの話でいうと、ダム湖の貯水量は、 福岡PayPayドーム26個分(4600万立方メートル)だそうですよ。
   

  
洪水時の放水施設である、オリフィスゲート。ダム中央部に位置し、高さ6.3m×幅6.2mの3門のゲートです。最大で毎秒2000立方メートルの放流が可能なんだって。
  

  
オリフィスゲート3号機を見下ろしてみる。1門でこの圧倒的スケール感・・・。なお、この写真でわかっていただけるか不安ですが、水が流れていく放水路はアーチを描くようになっていて、それに沿って水が流れていくのだそうです。
  

  
オリフィスゲートの制御盤。

緑川ダムには、3門のオリフィスゲートとは別に、クレストゲートという、高さ13.6m×幅8.4mの非常用ゲートが堤体上部に左右2門ついています。これはオリフィスゲートだけで放水が間に合わないというときの非常用ゲートになっていて、いまのところクレストゲートを使用する状況に陥ったことはないのだそう。
   

ダムの底部から、上部を見上げてみる。右に見えるのが、水力発電用の送水管で、左に見えるのがオリフィスゲート。
  

  
ダム直下と下流3kmの地点に設置された3つの水力発電所において、最大35140kw、年間では36000世帯に相当する電力を生み出すことが可能となっています。

奥に見える水力発電所は、改修工事を行っている最中のようでした。
     

  
熊本を洪水被害から守り、農業用水を供給し、電力を生み出している緑川ダム。普段意識することがないダムという存在ですが、一度無料のダム見学をして、われわれの生活にどのように役立っているのかを見てみてはいかがでしょうか。