同行したカメラマンさんに言われるまま、コスプレをさせられています・・・。本日は田原坂西南戦争資料館にお邪魔しております。
いまは歴女(れきじょ)というんですか、そういう歴史ファンの女性が増えたおかげで、歴史の楽しみ方が多様化した気がしております。ここはコスプレ衣装まで貸し出してくれるんですね。
軍帽、小銃、ラッパなどの小道具も充実していて、衣装をかえつつ、楽しく記念撮影ができると思います。
受付では、薩摩軍と政府軍のコスプレをしたくまモンがお出迎え。政府軍にはきちんとした制服がありましたが、薩摩軍にはありませんでした。そのため、薩摩軍兵士の遺族は、服で自分の夫なり息子なりを判別したということです。
受付では、かわいらしいシールセットをいただきました。町を盛り上げようと、若い人が頑張っているんですね。
雨は降る降る 人馬は濡れる
越すに越されぬ 田原坂
右手に血刀 左手に手綱 馬上ゆたかな 美少年
民謡「田原坂」の一節です。西南戦争最大の激戦地「田原坂」。17日間にわたる戦闘が続きました。
1日で使用された弾丸32万発。あまりの交戦のはげしさに、弾と弾が空中でぶつかり、「かちあい弾」といわれるものが多数見つかっているほど。連日の激戦で、上の資料のように、山の木という木は、はげ上がってしまいました。
田原坂の薩摩軍陣地推定地で見つかった多数のエンフィールド銃弾やスナイドル銃弾、四斤砲弾の破片です。
薩摩軍熊本隊の使用したとされる槍と刀。槍は同田貫賢次(どうだぬきよしつぐ)、刀は國俊(くにとし)とあります。薩摩軍は士族であるため、実践経験豊富で刀の扱いに長けており、白刃での切り込みを多用しました。対する政府軍は徴兵令によって集められた町人や百姓主体であるため、白兵戦を仕掛けてくる薩摩軍に対し、恐怖心が蔓延し、苦戦したということです。
さらにいえば、田原坂の戦いのときは雨天続きでしたから、雨天での使用が難しい旧式のエンフィールド銃が主体の薩摩軍は銃が使いづらかったというのもあるのだと思います。(対する政府軍は新型のスナイドル銃を主に備えており、こちらは雨天でも構わず使用できます。速射性もスナイドル銃は桁違いです。
その状況をくつがえし、政府軍進軍の突破口を開いたのが、白兵戦に長けたものを集め編成された、警視抜刀隊といわれています。警視抜刀隊は主に薩摩藩出身者で編成されたということですから、薩摩藩出身者同士で戦ったということで、まことに皮肉な話です。
壁面いっぱい使った、歴史背景の流れを追える年表も見ものです。
熊本城官賊両軍攻守之図。薩摩軍の桐野利秋は、かつて熊本鎮台司令長官でもありましたから、熊本城を知り尽くしているはずで、もっとうまい布陣の仕方があっただろうと思いますが・・・。
この資料館は高台にあるため、展望台からは各激戦区が見渡せます。そのためか、職員さんがわざわざ屋外まで出てくれて、各場所ごとの戦いのありさまを教えていただきました。
田原坂の戦いをもとにしたショートムービーも見ものですよ!工夫をこらした特別なプロジェクター&音響機器&照明で、ダイナミックに見せてくれますので、小さな子どもでも楽しめるようになっています。
この近辺には無数の戦争遺跡や墓碑などが残されています。通常なら飛ばされるような小さな史跡も、ガイドつきでご案内できます。徹底的に歴史にひたりたい方は、歴史知識に長けた観光ガイドタクシーをぜひご利用くださいませ。
■利用案内
一般(高校生以上)300円(240円) 小・中学生100円(80円)
9時00分〜17時00分(入館16時30分まで)