旧国鉄高森線と高千穂線を結ぶ鉄道用トンネルを工事中、坑内で大量の出水に見舞われて工事が中断してしまいました。
そのトンネルを公園化して観光資源として生かしたのが、この高森湧水トンネルとなります。転んでもただでは起きないとは、このことですね。
七夕やクリスマスなど、季節のイベントに合わせてトンネル内外で展示イベントを行うことで、いまでは多くの観光客が訪れる観光スポットとなりました。
ピーク期間の8月は、1万人以上の観光客が訪れるといいます。
訪問時は7月中旬頃でしたので、七夕飾りの展示イベントを見ることができました。
トンネル奥から湧き出る水は、水路を流れていき、夏場に訪れるととても涼しげ。トンネル内にはいるとヒンヤリして気持ちがいいですよ。
湧水量はなんと毎分32トンにもなるそうで、高森町の貴重な水源の1つに数えられるそうです。それだけ水が出れば、そりゃ鉄道が通せないわけですね・・・。
トンネルで展示することが前提となりますので、電飾を用いた展示物となります。真っ昼間でもトンネルの暗さを生かしてイルミネーションを楽しむことができるわけですから、デートなんかにも最適かもしれないですね。来場者は家族連れが多かったですが、次いでカップルも多く見かけました。
トンネルの掘削全長は2,055メートルですが、一般に公開されているのはそのうち550mのみとなります。高森トンネルは計画全長6,480mですから、1/3ほどで掘削を断念したということになります。
つまりは、高森湧水トンネルを全部見ると、往復1km以上歩くことになりますから、そこだけは覚悟してくださいね。
トンネル内携帯電話使用禁止の看板。そもそも携帯の電波がはいりません・・・。
昭和48年に工事着手し、昭和50年に坑内で大量出水により工事中断することになりますが、影響はトンネル工事だけにとどまらず、坑内出水を受けて高森町の湧水8カ所が枯れ、水道水が断水する騒ぎとなりました。
プロジェクションマッピングなども用いられ、幻想的な雰囲気。
神秘の泉。いろいろ演出が凝っていて面白いですね。
よくよく水面に目をこらしてみると、なんと魚がたくさん泳いでいます。
ウォーターパール。写真ではわかりませんが、実際はこの水の球がゆっくり逆流しているように見えてるんですよ!どうなっているのか確かめようと、手をのばして触ろうとする人がたくさんいました。
水自体に仕掛けはなく、ふつうの水に特殊な音波を与え球体に変化させる噴水装置だということです。そこに特殊ストロボライトを水に照射しその残像現象を利用し、球体に見えるようにしたのが、このウォーターパールです。
ここが一般公開されている最深部になります。壁から水が湧き出ているんですよ。水神様も祀ってありました。
記録的猛暑となっている今夏ですが、ここでしたらすずしく楽しめると思いますよ。