昭和6年に『さがらみそ・マルカマ醤油蔵』として創業した釜田醸造所。
人吉市鍛冶屋町にあるこちらの醸造所では、味噌・醤油の製造工程を見学することができるほか、佃煮や味噌漬けなどの試食もできる人気スポットです。
大正末期に建築された接客用として建てられた建物を、平成元年にみそ・しょうゆ蔵として改装しているものです。工場見学のみならず、大正浪漫ただよう建築様式もあわせて楽しむことができます。
訪問時はひなまつりの時期でしたので、入口付近にはミニひな壇がたくさん飾ってありました。
城下町特有の奥行きのある、いわゆる「うなぎの寝床」と言われるような細長い工場となっておりますので、そのため各工程を間近で観察することができます。稼働中の工場ですので、くれぐれも従業員さんの邪魔にならないように気をつけなくてはいけません。
醤油の原点である「天然もろみ」。麹菌や酵母がうまみや香りを造るといいます。およそ1年をかけて熟成します。
蒸した大豆と炒った小麦を混合し、種麹を加えて「しょうゆ麹」を造ります。これを食塩水と一緒に仕込んだのが諸味(もろみ)です。
ひとつのタンクに5,400リットル仕込むことができます。当社の諸味は自然の環境で攪拌を重ね1年間ねかせます。麹菌や酵母、乳酸菌が働いて分解・発酵が進み、さらに熟成されて醤油独特の色・味・香りが生まれます。
この諸味を絞ったのが「生しょうゆ」です。
(工場内説明文より)
蒸煮缶(じょうしゃかん)を洗浄する従業員さん。蒸煮缶は、醸造用原料を加圧蒸煮する回転式の圧力鍋で、大豆なら500kgを一度に煮ることができます。
この中で原料を洗って蒸して冷やす作業ができます。
地元の小中学生の定番の社会科見学コースになっているようで、説明文があちこちに貼ってあります。
味噌充填機を使ってのみそ袋詰めをする場所のようです。忙しく作業をされていました。
展示販売コーナーでは、釜田醸造所さんで造られている佃煮や味噌漬けなどを、日本茶をいただきながら食べくらべすることができます。どれもおいしい!
室内にはずらっと釜田醸造所さんの商品が並んでいます。ギフト用のセットなんかもあるんですね。
建物の雰囲気なども含めて、あじわい深い体験型施設です。
2~3月のひなまつりの季節のみ展示される、釜田家に伝わるひな人形。じつに立派ですね!
人吉酒蔵巡りのさいには、こちらの味噌蔵巡りもルートに加えてはいかがでしょうか。