万田坑跡・万田坑ステーション その1

 

世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成資産の1つ、万田坑を前回に引き続き、ご案内させていただきます。このように、訪問日入りの撮影パネルまで準備してありましたよ。

 

 

第二竪坑櫓がとても新品のような輝きであったのが少し違和感があったのですが、平成20年から21年にかけて行われた保存修理により、当時に近い姿になっているとのこと。

 

 

万田坑跡にはいるためには、まず万田坑ステーションで入坑券を購入します。(万田坑ステーションだけの見学であれば、無料となっております。)万田坑ステーションは、かつて万田坑周辺の社宅の購買部があった場所に建てられているとのことです。

 

万田坑ステーションは、平成21年に完成した万田坑に関する資料館で、映像や模型、古写真、パネル、展示物などで万田坑の歴史を学ぶことができます。

 

 

万田坑跡の入口には、ガイド待機所テントがありますので、ガイドが必要な場合には、ガイド開始時間までにテントに行ってください。ガイド開始時間は、10時、11時、12時、13時、14時、15時となっています。

 

ガイド時間は30分ほど。ガイド終了後は、炭鉱施設内を自由に観覧できます。貴重な機械、施設ばかりで、写真がお好きな方は、写真を撮るのがかなり忙しいと思います。

 

 

万田坑跡の近くには、まるごとあらお物産館もあり、万田坑のお土産だけでなく、カフェでコーヒーを飲んだり、ソフトクリームを食べたり、カレーなどの食事をとることもできます。

 

小代焼などの特産品や有明産の海苔、名産の梨など、荒尾で取れる特産物を使った食品などが多く取りそろえていますから、万田坑を見たあとには立ち寄っていただきたいスポットです。

 

 

沈殿池。坑内から排出された不純物の混ざった水を、こちらで沈殿させ、上水を排水口を河川に流す仕組みになっています。つまりは排水の浄化設備ということですね。

 

 

万田坑で働く人達の安全を見守っていた、山の神様(山ノ神祭祀施設)。炭鉱の坑内では落盤や火災、ガス爆発など、命にかかわる危険に囲まれていましたので、坑内作業員たちは、炭鉱内にはいる前に、ここで安全を祈願していました。神様は愛媛県の大山祇神社(おおやまづみじんじゃ)から移し たもので、他の炭鉱でも安全の神として信仰されてきました。

 

具体的には、一日の作業指示を行う際、山の神様に向かって、「拝礼」のかけ声とともに、一礼をし、安全を祈願したということです。

 

花立てには大正15年とありますが、石祠はもっと古くて大正5年、灯籠が大正6~7年の建立とのこと。

 

 

 

倉庫およびポンプ室。明治38年の建設当初は、坑内の換気を行う扇風機室でした。蒸気を動力とした扇風機が稼働していたということです。

 

その後、予備の消火器を置くための倉庫、および坑内から汲み上げられた水を送水するためのポンプ室として使われました。

 

 

安全灯室及び浴室。建設当初は扇風機を稼働させるための機械室として利用されていました。万田坑で最も古い建築物の1つで、用途変更が頻繁に行われています。

 

昭和26年の万田坑閉坑後は、安全灯室および浴室として利用されました。閉坑後の三池炭鉱の坑内管理のため安全灯室として、安全灯の充電器などが現存しています。

 

 

ブロックが積んであり、浴室内部を外からのぞけるようになっております。

 

 

風呂用の椅子に、真っ黒な洗面器まで置いてあり、当時の日常風景が垣間見えます。閉坑後に整備された場所であるため、全盛期の大浴場と比べると小さいものとなっています。

 

ちょっと長くなりすぎますので、続きはまた次回!!