前回、万田坑の入口から周辺施設のいくつかをご紹介しました。今回はついに、第二竪坑櫓に入っていきますよ!!
入口にはトロッコが無造作に置かれていました。
ちなみに、2014年夏に公開された映画「るろうに剣心・京都大火編」
万田坑ステーションには、斉藤一を演じた江口洋介さんの衣装やサイン色紙も展示されていますので、ファンの方は要チェックです!!
第二竪坑の入口に置いてあった、坑道作業員が用いたヘルメットとライト、バッテリー。手に取って、重さを実感することができます。
坑内作業員たちは、このケージ(定員25名)に乗り込んで、約1分間かけて約274mある坑底まで降りていったそうです。
ケージの自重は2.8トン、最大積載量1.5トンとのこと。ケージは2台吊り下げられ、一方が上がると他方が下がるつるべ式となっており、1台が地上にあるときはもう1台は坑底にある、というような使われ方であったとのことです。
第二竪坑坑口。第二竪坑は、石炭搬出用途ではなく、人員昇降および排水、換気の用途として使われました。昭和26年の閉坑以降は、炭鉱坑内の維持管理用として使用されました。
竪坑は平成9年の閉山時に、選炭場の土砂により埋め立てられました。
坑口信号所。当初は坑底とは鐘で合図をしていましたが、大正時代以降はベルや電話に変わっていきました。それでも鐘は予備として残されていたということです。
坑口信号所にある第二竪坑信号規定と、さまざまな通信装置。ここから坑底や巻揚機室の運転手と連絡を取り合っていました。
坑口から上を見上げれば、第二竪坑櫓を下から見ることができます。第二竪坑櫓は鋼鉄製で、英国グラスゴー・スチール社や、英国ドーマンロング社の鋼材が用いられていることが、鋼材の刻印から判明しております。
主脚4本、補助脚2本の柱で構成されていて、ラチスガーター式トラス構造といって、少ない鉄で強い櫓を組むことができる構造になっています。こうすることで、柱に大きな風圧がかからないという利点もありました。
今回はここまで、その3につづきます。