産神社~お乳と安産の守り神

 

阿蘇市狩尾にあるお乳と安産の守り神、「産神社」をご紹介いたします。

 

御祭神は、お乳の神様と言われる豊玉姫(とよたまひめ、豊玉毘売)と、古事記でいう神代七代(かみのよななよ)の十二神です。

 

神代七代十二神

国之常立神(くにのとこたちのかみ)
豊雲野神(とよぐもぬのかみ)
宇比地邇神(うひぢにのかみ) 須比智邇神(すひぢにのかみ)
角杙神(つぬぐいのかみ) 活杙神(いくぐいのかみ)
意富斗能地神(おおとのぢのかみ) 大斗乃弁神(おおとのべのかみ)
淤母陀琉神(おもだるのかみ) 阿夜訶志古泥神(あやかしこねのかみ)
伊邪那岐神(いざなぎのかみ) 伊邪那美神(いざなみのかみ)

 

 

現在はコンクリート橋が架橋されていますが、以前は石橋が存在していました。2001年6月の大雨で流失してしまったようで、石橋の名残が隅に積んであるのみでした。熊本の石橋文化が豪雨災害のたびに失われていくのは、寂しいものです。

 

 

石橋の名残としては、木碑と、当時の名残と思われる石が木碑のまわりに積んであるのみです。

 

 

産神社の杉。かつて2本が対となっていましたが、平成16年の台風によって片方の1本は倒れてしまいました。(現在は、その後継木が移植されています。)

 

 

由緒(現地案内板から引用)

 

創建は、いまを去る凡そ二百年前、細川藩士三淵永次郞が祖先からの鎮守として建立した社といわれている。産婦の乳もらい、子育て、安産、縁結び、その他、風雨、大干魃、悪病流行の祈心願すれば神霊あらたかなりとある。

また、縁結び、安産、子育てなどに御利益があると伝えられている。昭和三十年頃までは境内に大湧水地があって遠近の人々の乳もらいの参拝が多かった。

 

明治四十一年 社殿再建

氏子数二二四戸

昭和五十四年十二月

阿蘇町文化財保護委員会 氏子一同

 

 

かつて乳白色の水が湧いたとされる乳水の池。この池の水を氏子に汲んでもらい、おかゆを炊いて食べると乳が出るようになると言われています。

 

 

数十年に一回、土用三郎の日(夏の土用入り三日目)にこの神社の池に乳白色の水が湧くとの言い伝えがあります。

 

 

もう少し秋が深まってくれば、見事な紅葉が見られるスポットでもあります。

 

取材中も安産祈願なのか、若いカップルが訪れていましたよ。