塚原古墳群と、メリ穴公園


ふだん何気なくみなさんも利用されている九州自動車道ですが、城南ICあたりがトンネルになっているのは、みなさんご存知のことかと思います。

ところが、そのトンネルの上部が、熊本県最大規模の古墳群であることをご存知でしょうか。


googlemapから引用


航空写真で見るとトンネルの上に、大小の古墳が目一杯広がっていることがわかります。これが国指定史跡「塚原古墳群(つかわらこふんぐん)」であり、4~6世紀に築かれた古墳群となります。

1972年、九州自動車道の建設に伴う発掘調査によって発見されたという経緯があり、当初は山をV字に切り開いて高速道路を通す予定だったものが、遺跡を保護するために遺跡の下にトンネル(塚原トンネル)を通すという、日本初の方法がとられました。



熊本市塚原歴史民俗資料館では、塚原古墳にまつわる土器・石器・鉄器などの展示はもちろん、それ以外の時代の民俗資料などもあわせて展示されており、たいへん見応えのある資料館となっております。

※館内は撮影禁止のため、写真はありません
 


塚原古墳公園内にある古墳群模型。発掘された古墳のうち、77基が復元されています。九州自動車道整備の一貫としての発掘調査であったため、どうしても九州自動車道の敷地内でしか調査が進んでいないようです。

1975年に行われた塚原台地全体の調査では、九州自動車道の敷地外にも広範囲に遺跡が広がっていることが判明しており、調査済みのものだけで203基、未調査のもを含めると500基近く存在するのではないかと考えられています。

なお、古墳公園では、お子さん連れのご家族が多く訪れていて、あちこちテントを張って、休日を楽しんでいるようでした。
 


塚原歴史民俗資料館から南に1.6kmのところにある遺跡「メリ穴」もご紹介いたしましょう。

塚原歴史民俗資料館からはそこそこ距離があるので、車で移動しましたが、細い農道を通らねばなりませんから、久しぶりだったこともあって、正直、迷いました・・・。



阿蘇火砕流堆積物が湧き水により侵食されて自然にできた横穴で、その奥から水が湧いています。

この地区では昔からこの水の神を祀っていて、「参り穴」から「メリ穴」と呼ばれるようになったと言われています。



電気がついてませんので、残念ながら奥がどのようになっているのかをお見せすることができませんでした。強力な懐中電灯が必要でしたね・・・。  



ホタル生息地でもあり、駐車場や広場もきちんと整備されていますので、水辺の公園で自然を満喫できるスポットでもあります。