国造神社と、手野のスギ

 

肥後国(熊本県)には、延喜式神名帳に名前が載っている神社が四座あります。

 

延喜式神名帳とは、平安時代に編纂された神社一覧表のことで、編纂時期から逆算すると、これに載っている時点で1000年以上の歴史があることになりますね。四座のうち二座は阿蘇神社のことで、あとは玉名の疋野神社。そしてこの阿蘇・国造神社となります。熊本県でもっとも古い神社の1つとなります。

 

 

こちらの現在の社殿は、1672年に細川綱利公によって造営されたものとなります。

 

国造神社

阿蘇の開拓に尽力したとされる速瓶玉命をはじめ四神を祀っている神社です。阿蘇神社から約6km北に位置しているため、北宮とも呼ばれています。境内神社の一つ、鯰社は阿蘇カルデラに湖があった時代、湖の主であった大鯰を、阿蘇開拓の祖である健磐龍命による湖水干拓ののち祀ったものとされ、カルデラ湖の形成・消滅の歴史と深いつながりがある伝説が残されています。(現地案内文より)

 

 

国造神社は、位置的に阿蘇神社の北側にあるので、北宮という言い方をされることもあります。また、国造神社という名前は、速瓶玉命が阿蘇国造に任命されたことに由来します。

 

祭神

速瓶玉命(はやみかたまのみこと)
雨宮媛命(あまみやひめのみこと)
蒲智比咩命(かまちひめのみこと)
高橋神(たかはしのかみ)
火宮神(ひみみやのかみ)

 

 

深い森につつまれた神社であり、おごそかな神話の雰囲気がとてもよくでている場所です。こちらで行われる祭りの数々(歌い初め、春祭り、おんだ祭り、風祭り、眠り流し、田の実祭)は、阿蘇の農耕祭事として重要無形民俗文化財に指定されています。

 

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樹齢1000年とも2000年とも言われた、手野のスギ。速瓶玉命お手植えのスギだと、伝わっています。天然記念物に指定されていましたが、平成3年の台風19号によって高さ11mのところで折れ、その後、枯死したため、平成12年9月6日で天然記念物の指定を解除されました。

 

その後、地元の有志が集まって「手野の大スギ保存事業期成会」を立ち上げ、地上2.5メートル~7メートルの部分を切断し、2002年に上屋をかけ保存されています。

 

 

もとは夫婦杉だったらしく、手野の二本杉とも呼ばれていました。男杉は文政年間(1818~1830)に雷火により伐採されております。そのため、いま伝わっている手野のスギとは、この女杉のことを指します。

 

 

神符守札授与所で屋内保管されている、水神木。国造神社第二位の神木で樹齢800年を誇りましたが、これも平成3年9月の台風19号の影響ににより枯死しました。

 

 

阿蘇神社とも近い上に、パワースポットでもありますので、ぜひともに訪れて欲しい場所です。なお、御朱印はスタンプ方式なので、ちゃんと手書きのものが欲しいということであれば、阿蘇神社に訪れた日を伝えれば、書いていただけますよ。