寂心さんの樟(じゃくしんさんのくす)

 

パワースポットとしても知られる、寂心さんの樟を今回はご紹介いたします。いわれは後述するとして、どうですかこの迫力!これ、1本の木だと言って信じられますか。

 

 

樟は幹が大きく育ち、枝は四方八方に伸び、さらに枝分かれして長く伸びていくために、たった1本であたかも森のような佇まいをだすことができる木です。環境庁の全国巨樹・巨木林調査でも、上位はほぼ樟(※楠とも記述される)が独占していますね。(なお、巨木かどうかの基準は幹の太さで判断されます。)

 

熊本県には、このような樟の巨木がたくさん存在しています。

 

 

この樟が特別なものであるのは、根元に寂心さんの墓を巻き込んでいるからです。寂心さんと地元では呼ばれていますが、フルネームでは鹿子木親員入道寂心(かなこぎちかかずにゅうどうじゃくしん)といいます。かつて熊本県に存在していた「隈本城」の築城者とされています。(隈本城は、いまの熊本県立第一高等学校のあたりに存在していました。)

 

この樟は寂心手植えの木だということです。

 

 

なお、大きく育った樟の枝は、要所要所で鉄製の土台で支えられていました。現在はこれも熊本地震の影響なのかはわかりませんが、土を剥ぎ取られ、樟の根っこがむきだしになっていました。土の入れ替えでもしているのでしょうか。

 

 

北迫地区の人は、1月11日にこの木の下に全員で集い、神事をとり行い、新しい年の出発の日としているとのこと。樹齢は800年というから歴史を感じますね。

 

 

敷地内は現在、立ち入り禁止となっておりました。墓碑に近づくことはできませんが、遠目からの撮影などはできますよ(駐車場も利用できます)。