四山神社・四山古墳~虚空蔵菩薩降臨伝説の地

 

荒尾市には、虚空蔵菩薩(こくんぞさん)が空中より降臨された場所であるという伝説を持つ、四山古墳があります!

 

四山古墳は、四山神社の神域にありまして、6世紀後半の頃、海岸の巨石によって築かれたと言われる横口式巨石墳です。封土(古墳を覆う盛り土)は失われており、石室を構成していた巨石のみが残されています。上の写真を見るとおわかりかと思いますが、見学は格子ごしに覗き見るような形になります。

 

 

四山古墳

四ッ山丘陵(標高56m)上の笹原山南丘に構築された横穴式石室墳。封土はすでに失なわれ石室を構築した巨石砂岩の用材のみが残っている。墳形は円墳と推定される。石室は玄室(奥室)と前室の二室からなり、西南に開口する。玄室の平面形は奥室2.8m、幅(奥室部)11.6mでほぼ方形に近く、奥壁、両側壁には巨大な自然石を横に使用している。床面は粘土でかため、屍床の区切は認められない。天井部は巨石を両側壁に架け渡したものと思われ、高さは奥壁部で1.9mである。玄室の間には仕切りの石(中羨門)をおいて、奥行1.1m、幅1.8mの前室がつくられ、川原石が敷かれている。

昭和25年5月発掘調査が行われ、金環、勾玉、剣、刀子、鉄鏃、馬具、土師器、須恵器等の副葬品が出土した。なお玄室、西壁には、円形の刻線があり、東壁にもその痕跡が認められる。石室の構造や遺物などから、六世紀後半頃の後期の古墳に属する。

四ツ山丘陵上にはこの外、約6基の古墳があり、四ツ山古墳群を形成していたが、四ツ山炭鉱開発に当たり消失し明かでない。本墳の開口はかなり古く、虚空蔵菩薩降臨の信仰を生む霊地となった。
遺物は四ツ山神社社務所に保管されている。

 

 

四山神社の御祭神は、造化の三神(古事記神話において最初にあらわれたとされる神で、国土・人間・万物を創造したという三柱の神のこと)とされる、天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)、高御産巣日神(たかみむすびのかみ)、神産巣日神(かみむすびのかみ)となります。

 

 

もともと、虚空蔵菩薩信仰が行われてきた神社でしたが、明治時代になって神仏分離令が出されたため、虚空蔵菩薩の御神徳に相当する「造化の三神」を勧請し、現在の四山神社となりました。

 

延久2年(1070年)に菊池則隆公がこの地にお堂を建立したとされています。その後、戦国時代に火災により焼失したのち、慶長10年(1605年)加藤清正公により再建され、その後の肥後藩主である細川家もたびたび参詣され、九曜の紋幕を奉納され、四山神社の社紋となりました。

 

 

参拝者に無料で五円を貸し出す「福銭」の習慣もあります。小国町の福運三社祈願でも同じような仕組みがありましたね。

 

四山神社の五円は神様と金運にご縁があり、商売繁盛・縁結び・家庭円満にご利益があり、穴銭は望みが通るといわれています。神棚や財布におさめてご加護をいただいてください。五円硬貨の意匠には、平和を願い、稲穂は農業、水は水産業、歯車は工業、裏面の双葉は林業を現し、産業繁栄の願いが込められています。

 

祈願成就のお礼参りの際には、倍額以上を返却するのが習わしになっています。

 

 

四山神社は小高い丘にあるため、有明海や、ラムサール条約で保護されている荒尾干潟が一望できます。海岸部に広がる大量のパネル状のものはソフトバンク熊本荒尾ソーラーパークという太陽光発電施設で、荒尾干潟に隣接して設置されています。

 

 

四ツ山灯台とも言われる三池港灯台も、四山神社境内から歩いてすぐの場所にあるため、灯台を間近で見ることができます。

 

 

昭和38年に、一般戦災死没者の追悼のために建てられた、荒尾市慰霊塔も、四山神社から歩いてすぐのところ、三池港灯台のすぐ隣に立地しています。

 

古来 平和の為の戰いと呼号し 幾多の民衆の血を流した戰争の歴史は所詮は 征服と屈従のあさましき人間の生きる姿ではなかつたか。

国の上に国なく人の上に人なく 支配と隷従に関りなき世(旧字)こそ 人間の求むる真実である

日本は過去一世(旧字)紀に四たび戰い世(旧字)界第二次大戰に敗れたが この長い苛烈な戰いの後には世(旧字)界に四十数国の獨立と民族の解放を齎らした

それは私達の指向する人の世(旧字)の姿への前進と言へる

過ぎし悲惨な戰いの犠牲は思い起すだに泪を誘うも後世(旧字)に残した功は高い

ここに荒尾市約二千柱の戰没者の御霊を祀る

 

昭和三十八年九月二十九日 荒尾市長 古閑幹士

 

 

毎年2月13日、9月13日が大祭日(こくんぞさん)となっていますよ。

 

三池炭鉱万田坑跡(世界遺産「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産の1つ)の近くですので、一緒に見学されるのをお薦めいたしますよ!どちらも加来タクシーであれば、運転手によるガイドつきで、ていねいにご案内させていただきます。